xCELLigence RTCA Cardio

xCELLigence RTCA Cardioシステムは、インピーダンス（電気抵抗値）を用いて心筋細胞の拍動を96ウェル同時にモニタリングすることができるシステムです。

短期の反応から長期の反応まで、心筋細胞の拍動特性の変化を、培養環境を維持したまま経時的に測定することができます。

さらに、拍動の測定だけでなく、細胞生存率の測定も可能です。

富士フイルム和光純薬（Cellular Dynamics）社のiCell CardiomyocytesとiCell Cardiomyocytes²、Ncardia社のPluricytesをはじめとする市販ヒトiPS由来心筋細胞、あるいは患者iPS由来心筋細胞などをお使いいただけます。

測定原理

xCELLigence Cardioシステムでは、専用の96ウェル・バイオセンサープレートで細胞を培養し、インピーダンス（電気抵抗値）を測定することで心筋細胞の拍動をモニタリングします。

バイオセンサープレートのウェル底面にはウェル全体に微小電極が備えられています。この微小電極に微弱な電流（20mV未満）を流すと、細胞数や細胞のウェル底面への接着力の変化に応じて電気抵抗値が変化します。心筋細胞の拍動測定においては、12.9 msecという極めて短い時間間隔で電気抵抗値を測定することで、心筋細胞の収縮と弛緩に応じた変化をモニタリングします。

左下の動画はバイオセンサープレート上で培養中のヒトiPS由来心筋細胞の様子です。右下の動画は心筋細胞の拍動を電気抵抗値でモニタリングしているソフトウェア画面です。このように心筋細胞のリズミカルな収縮と弛緩をリアルタイムに記録することが可能です。このデータから、専用のソフトウェアを用いて、拍動特性を反映する様々なパラメーター（Beating Amplitude、Beating Rate、Beating Rythmなど）を数値データとして算出します。

ワークフロー

xCELLigence Cardioシステムの測定ワークフローは簡単です。まず、E-Plate Cardio 96（専用のバイオセンサープレート）に培地を入れて培地のみの電気抵抗値（バックグラウンド）を測定します。そのあとで、心筋細胞を播種して、インキュベーター内に設置したステーションにプレートを置いて測定を開始します。測定中は、予めソフトウェアで設定した時間間隔で、装置が自動的に電気抵抗値を記録します。

※ 市販iPS由来心筋細胞ではそれぞれの細胞ごとに決められた実験プロトコルがございます。