リアルタイム細胞アナライザー
xCELLigenceシリーズ
同一ウェルの細胞を生きたままラベルフリーで経時的に測定
測定原理とワークフロー
リアルタイム細胞アナライザーxCELLigenceの測定原理とワークフローをご紹介します。
ワークフロー
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xCELLigenceシステムの測定ワークフローは極めてシンプルです。細胞をバイオセンサープレート(E-Plate)に播種してインキュベーター内に設置した装置に載せます。ソフトウェアの設定を行いスタートボタンを押すと装置がデータ取得を開始します。データ記録は自動で行われ、その間は手放しでカイネティックデータが得られます。データ取得後の解析も迅速です。画像解析で必要とされるパラメーターの調整が不要で時間もかかりません。お忙しい研究者の方にぴったりのワークフローです。
測定原理
従来のセルベースアッセイは(1)細胞をラベル必要がある、(2)同じウェルを連続的に測定できない(エンドポイントアッセイ)、(3)測定後の細胞を他のアッセイに使えない、(4)客観的な定量数値の算出が困難(例:顕微鏡画像解析)という課題がありました。
xCELLigenceシステムはこれらの課題を解決できる細胞アッセイ法です。ウェルの電気抵抗値を測定することにより、細胞のレスポンスをラベルフリーでリアルタイムに定量的にモニタリングできます。
測定に使うのはウェル底面に金電極が貼られたバイオセンサープレート(E-Plate)です。培地は電解質を含むため、電極に電圧をかけると電極間で電流が流れます(上図・左)。ウェルに(接着)細胞が存在すると、細胞は電流を通しづらいため、電流が細胞を避けて流れます(上図・右)。
すなわち電極に接する細胞数が多ければ多いほどウェル全体で電流が流れづらくなり、ウェルの電気抵抗値が増加します。xCELLigenceシステムは、この細胞による電気抵抗値(Cellular Impedance)をモニタリングすることで細胞の挙動を連続的に測定します。電気抵抗値は細胞数だけでなく、様々な要因により変化します。細胞の形態変化、細胞の接着強度もモニタリングすることができます。それどころか、タイトジャンクションの開閉のような小さな変化も電気抵抗値として捉えることができる高感度なシステムです。ウェルにかける電圧は22mVと微小なため、細胞の健康状態や挙動に影響を与えることはありません。
バイオセンサープレート
上図はバイオセンサープレート(E-Plate VIEW)の電極配置のイラスト(A)と1ウェルの拡大写真(B~D)です。
電極はウェルの底面の70-80%をカバーします(VIEWタイプ 70%、Non-VIEWタイプ 80%)。VIEWタイププレートは中央にスリットがあるため倒立顕微鏡による観察が可能です。測定のエンドポイント(あるいは測定の途中)で、明視野や免疫染色による細胞の観察と確認を可能にします。
データアウトプット
上図はxCELLigenceで細胞増殖(+アポトーシス)を測定した典型的なデータの説明です。xCELLigenceシステムでは、縦軸が電気抵抗値(Cell Index)、横軸が時間の経時データが得られます。
最初の数時間は細胞の接着により電気抵抗値が急激に増加します。次に細胞が増えるにつれて電気抵抗値が徐々に上昇し、コンフルエントに達すると飽和します。そこにアポトーシス誘導薬剤を加えると、細胞が円形化した後にウェル底面から剥がれて電気抵抗値が下がり、最終的にゼロに戻ります。測定時間の長さと時間間隔はコントロールソフトウェアの設定により自由に変えることができます。早い反応から遅い反応まですべての時間を逃さないデータを取得していただけます。
xCELLigenceシステムは、電気抵抗値の測定により細胞の様々なイベントを定量的にモニタリングすることができます。上図はそれぞれ、(A)細胞接着、(B)GPCRへのリガンド結合、(C)免疫細胞によるがん細胞キリング(がん免疫キリングアッセイ)、(D)殺細胞性抗がん剤による細胞障害のデータ例です。現象によりレスポンスのタイムスケールが異なります。薬剤投与(あるいはエフェクター細胞添加)の実験では、コントロール(例:DMSO)を適切に使用することによりデータの解釈が容易になります。
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